巻観光協会-会員ファイル⑥ マキエキマエ

コンセプトは「旅に出たくなるカフェ」

長らく巻の駅前で空き家になっていた曽根タクシー(通称ソネタク)跡地に出現した、なにやらPOPで楽しげな雰囲気の2階建て。

それが2022年にOPENした新感覚のカフェ。その名も『マキエキマエ』

キッチンカーが毎週日替わりで1階の専用スペースに出店していて、OPENから1年以上が経ち、一度は利用したことがある方も多いのでは。


1階は無料のイートインコーナー。2階は30分300円の有料スペースになっていて、カウンターで受付し2階へ上がると、大開口窓の明るいカフェスペースが。

窓からは巻の玄関口、JR巻駅が見渡せる。


テーマは「旅に出たくなるカフェ」ということで、店内は空港をイメージし、ブルーとホワイトで統一。

壁面にはプロジェクターで世界各地の映像が流れ、ドリンクバーではなんと世界各国の美味しいコーヒーが楽しめるなど、様々な「旅」にちなんだ工夫が凝らされている。


本棚には沢山の旅本や絶景写真集などがずらり。その数、およそ500冊!
オーナーが苦労して、読み応えのあるものを厳選し揃えたのだそう。

ここで旅への想いを馳せ、仲間と旅の計画を練ったりしてもよし、
たまに行き来する電車を眺めながらおひとり様でゆったりまったりと過ごすもよし。
(キッチンカーで購入したグルメの持ち込みもOKだそうです)

オーナーは元芸能マネージャー・TVマン夫妻

カフェのオーナーは、巻在住の斎藤ご夫妻。


ご主人は、イベント企画会社<株式会社ホイミ>代表の斎藤 桂(さいとう かつら)さん、
奥様でパートナーの斎藤 奈月(さいとう なつき)さんが「マキエキマエ」の店長を務める。

お二人から「マキエキマエ」OPENまでの経緯、これからのお店や地域とのかかわりについてお話を伺うことに。

オーナーの桂さんは、県内の高校を卒業後、東京都内の大学に進学、大手芸能プロダクションの芸能マネージャーを経て2009年に退職し帰潟。2010年に起業し現在に至る。


起業前の一年間は、思い切ってなんと世界一周旅行を敢行。その後新潟に戻るとご両親の米農家を継承すると同時に「地域にちょっとだけ元気になってもらえたら」という思いで株式会社ホイミを創業(桂さんは大のドラクエ好き)。
芸能マネージャー時代の経験・人脈を生かして故郷巻で旬の有名芸人お笑いライブを開催する他、地域の伝統イベント・祭りなどにも精力的に参加している。

▲受付には「はぐれメタル」

「巻は田舎で何にもないという人もいますけど、美しい自然環境もあるし、とても立派な文化会館があって、そういった資源をもっともっとうまく活用できるんじゃないかと思って。そういう声をあげる人、盛り上げ役が地域にはもっと必要だと思いますし、自分もそうでありたい」と桂さんは熱っぽく語る。


2023年以降もお笑いライブや、荒巻陽子&松浦航大、原口あきまさ&ミラクルひかるなどの人気者を招いてのものまねライブを開催。今年2024年春には全国初の真っ暗な中での漫才ライブ「耳で楽しむ漫才ライブ」を企画。目の不自由な皆さんにも極上のエンタメを楽しんでもらいたいと、大勢の障がい者もライブに招待し注目を集めた。

「娯楽・エンタメは生活に必ずしも必要じゃないかもしれないけど…やっぱり、あったら楽しいよね!と思います。自分の故郷なんで、もっともっと楽しい町に、住みたいなと思える町になってほしいんです」

▲巻文化会館で様々なライブを企画・開催

「この「マキエキマエ」はカフェとキッチンカースペースのほか、ちょっとした会議室も備えていて、イベントの企画会議や打ち合わせも出来るようにしたんですよ。これまで打合せといえば(自宅もありますが)他のお店などを使ったりしていたんです。自分の仕事の拠点が巻の駅前に出来て活用できるようになった、というのはやっぱり嬉しく思いますね


ロッチ、ハライチ、にしおかすみこ、イモトアヤコ、ネプチューンなどのマネージャーを担当してきた桂さん。芸能マネージャーの仕事で関わってきた一流芸人さんたちのライブの臨場感を故郷新潟・巻の皆さんに知って、楽しんでもらうと同時に、田舎の小さな町としては大きなハコで現在持て余している感のある巻文化会館を、もっと有効活用し存続させていくためには自分なら何が出来るか?と日々思案し、今日も次なる新たな企画を練り続けている。

「マキエキマエ」の店長 元気印の斎藤奈月さん

東京出身の奈月さんは、もともとは東京でテレビ番組制作スタッフとして長く働いていて、デパート、ホテル、レストランの勤務経験もあり接客業も慣れていることから、ご主人からお店の全権を任せられている。

▲とにかく明るい奈月さん

米農家でもある齋藤家のオリジナルブランド米「う米」を引っさげ東京でのイベント出張販売にも出かける。コロナ渦でご主人が本業のイベントを開催できなくなり、「さあ大変だ、これからどうしようか」というところで、調理経験のある奈月さんが神奈川の知人から軽ワゴンを購入、ご夫婦でキッチンカーを始めたのがこの「マキエキマエ」を始めるきっかけになったそう。

▲マキエキマエ改装前の「う米」キッチンカー(写真右)

元々は駅前の一等地で空き家になっていた場所(旧曽根タクシー跡地)が地元有力者さんの働きかけで数台のキッチンカーが随時出店できるようになると、出入りするキッチンカーたちの出店管理を誰かがすることが必要に。斎藤さんがその管理業務を買って出たのが、まだまだコロナ禍真っ只中の2021年。

「出店管理も当初はボランティアでやっていました。でもそれだと継続していくが難しいと感じて、いっそここを自社の事業の拠点にして責任を持って管理していこうと、頑張って資金を調達して2022年10月に改装工事を開始しました」

初出店から1年半後の2023年1月に、念願の「マキエキマエ」オープンにこぎつけた。
「思った以上に費用がかかって大変でした。自己資金のほか、市や国の補助金がないか調べたり、クラウドファンディングで資金を募ったりと、本当に沢山の人たちから支援していただいて…。苦労もありましたが、もう覚悟も決めて。遂に開店することができました」と斎藤さん。


「巻へよく来てくれたね」の声が本当に嬉しく、今後はもっと地域の盛り上げ、観光の拠点の一助になりたいと話す奈月さん。
「巻みたいに何もないところに…」という声にはご主人同様「そんなことはありません!」と笑顔でいつも返しているという。

2023年の秋には、地元巻高生と店長奈月さん、商工観光・福祉に携わる地域住民との対談を巻高放送部員が映像作品に仕上げて大会に出場。テーマは「地域の未来について」。嬉しいことにNHK杯全国高校放送コンテスト県大会準優勝、全国大会でも好成績を収めた。

▲【地域福祉情報誌 お~い!】4号に対談の様子が掲載


このマキエキマエが、地域の誰かの大切な居場所になれるよう、ずっと継続していけたら」

齋藤ご夫婦には、これからも地域にもっともっと笑顔を増やしていって欲しいと願うばかり。

取材対応、どうもありがとうございました。

(インタビュー・撮影 : 小林)

【マキエキマエ】
住所:新潟市西蒲区巻甲2548-1(巻駅前から徒歩30秒、旧曽根タクシー跡地)
定休日:土、日、祝、月末日(第2土曜日は営業予定、詳しくは毎月発行のカレンダーをチラシまたはSNSでご確認ください)
営業時間:11:00~18:00(2階カフェは17:00最終入店)
駐車場:あり(5台)
TEL:070-9064-3924

◆Instagram https://www.instagram.com/makiekimae
◆Facebook https://www.facebook.com/makiekimae.niigata
◆X(旧twitter) https://x.com/makiekimae

【株式会社ホイミ】https://hoimi.co.jp